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オススメ!『腸と脳』 みんな、腸内環境を整えよう! ⑧

2021/06/04
ブログ

こんにちは!

 

佐伯区のはな鍼灸整骨院コイン通り院の山口です。

 

梅雨入りして、ジメジメした日と暑い日がつづきますね

 

長引く自粛でお疲れの方もいらっしゃるかもしれませんが

減りつつあるコロナウイルスにも気をつけて、皆さんお身体を大事に過ごして下さいね

 

さて!

今回は第8弾!ということで今回も、腸内細菌と人間の情動に関する研究を分かりやすくまとめた本

『腸と脳 内臓感覚は強し』 エムラン・メイヤー 著  高橋洋 訳

の内容をご紹介したいと思います!

 

 

第8回となる今回は、健康な人間としてのスタート~無菌分娩の是非~と題して、ご紹介したいと思います


健康なスタートに必要な微生物

 

現代において、出産は、厳密に管理された無菌状態で行われることが多いです。

外気の細菌となるべく接触しないように生まれた新生児は、その後も徐々に環境にならしていくような丁寧さを求められます。

しかし、そうした傾向は最近になってからの話です。

時代をさかのぼるほど、消毒とは無縁の出産現場がありました。

しかし、その中でも健康な赤ちゃんが産まれ、すくすくと育っていたのです。




腸内細菌と健康の相関関係についての研究活動に入る数年前、著者は、人類と共生する微生物に関する自分の考えを今日でも支配している、驚くべき出来事に遭遇しました。

大学の冬期休暇中、ブラジルとベネズエラの熱帯雨林の奥深くを流れるオリノコ川の上流地域に住む、ヤノマミ族の生活の撮影を企画するドキュメンタリー映画製作者に同行する機会に恵まれました。



ある日、月夜の下・・・


ヤノマミ族のホストの家のすぐそばに釣ったハンモックで寝ていた著者は、眠れずにジャングルの音に耳を澄ませていました。



やがて近くで物音がするのを耳にして立ち上がり、周囲の森に向かって数歩足を踏み出しました。


すると、信じられない光景を目の当たりにしました。



そこにいたのは、15歳になる原住民の娘の姿でした。


驚くべきことに、彼女は地面に置いたバナナの葉を跨いで一人で静かに子どもを産もうとしていたのです。


彼女は、子供を産んだ後、先の鋭いものでへその緒を切っていました。


 


そこでは、だれの援助も医療の介入もなく、自然に子どもが生まれていたのです。

あまりにも静かな分娩だったので、村人は誰一人として新たな命の誕生に気付いていないようでした。

これは、現代の病院での分娩とは甚だしく異なります。

そこには無菌の環境もなれれば、消毒薬を用いて母親の膣から微生物を「洗浄」する産婦人科医もいません。


その代わり、ヤノマミ族の新生児は、母親のち綱井マイクロバイオームのみならず、彼女の(消毒も洗浄もしていない)手、さらには土壌やバナナの葉の表面についたあらゆる微生物にさらされていたのです。

それでもその後数週間、両親にあやされるこの新生児は、全く健康な様子でした。

 


現代の欧米で実践されている分娩方法の起源はかなり古いものです。


20世紀に入るころ、フランスの小児科医アンリ・ティシエは

「胎児は無菌の環境で育つ。微生物との最初の接触は、分娩中に膣内の微生物にさらされることによっておこる」と主張しました。


この見方は1世紀にわたり定説として受け入れられていましたが、現在ではその根拠を疑うべき証拠があります

 


最近の研究によれば、ごく普通の健康な妊娠であっても、臍帯血、羊水、胎便、胎盤に、母親の腸内細菌(ほとんどは良性の細菌)検出されます。


分娩の時期が迫ると、膣内マイクロバイオータは大幅に変化します。


微生物の多様性は低下し、通常は小腸に見られる乳酸菌が優勢になるのです。


分娩時、自然な様態で生まれる新生児は、この優勢になった乳酸菌を含む母親のマイクロバイオータにさらされます。


これは、乳児の腸にコロニーを形成する微生物の重要な源泉になります。


母親が持つ膣内微生物の独自のセットが、子供の腸内微生物における独自のパターンの基盤を形成し、それが生涯にわたって維持されます。

また、母親が宿す微生物は、代謝メカニズムの重要な構成要素、すなわち母乳に含まれる乳糖や特殊な炭水化物を消化するの能力を新生児に与えるのです。

 

 母体や胎児の生命を優先するために、膣内を通過しない、出産方法がとられることがあります。

一部の国と地域では、初めから帝王切開を選択する場合もあります。


しかし、出産時に、膣内微生物によるマイクロバイオームのプログラミングを「バイパス」すると脳の発達にいかなる長期的な影響を及ぼすのか

が不明にもかかわらず、自然分娩を選択する夫婦が減ってきていることに、現代の科学者は懸念を抱いています。


ブラジルやイタリアなどの国々では、帝王切開で産まされる新生児が、自然分娩で生まれる新生児より多いのです。

これまでのところ
  • 帝王世界で生まれた子供の腸には、母親の膣内微生物がうつされること
  • ビフィズス菌のような重要な微生物が腸内にコロニーを形成するにあたり、自然分娩より帝王切開による分娩のほうが時間がかかる事
が判明しています。


さらに言えば、帝王切開で生まれた子供は、危険な微生物クロストリジウム・ディフィシルが腸内にはびこりやすく、年齢を重ねてから肥満しやすくなります。

帝王切開が原因で腸と脳のコミュニケーションが変化しえ、自閉症を含む脳障害が発症し靖うなると考えられており、現在それを確認する研究がおこなわれています。

付け加えておくと、M・ブレイザーが率いるグループが行った、マウスを使った画期的な研究によって、幼少期に抗生物質の投与のためにマイクロバイオータがかく乱されると、長期的な影響が現れ、成人後に高脂肪食のせいで肥満する可能性が高まる事が判明しているのです。

いずれにしても、出産方法と腸内細菌、そしてその後の発達と健康の関係性はまだ研究が始まったばかりです。
統計上の数字だけで判断するのは早計ですが、周産期の母親の精神状態が母親の腸内環境を悪化させ、悪化した腸内環境を子どもへ遺伝することが
明らかになれば、妊婦さんを取り巻く環境がさらに改善される一助となるのではないでしょうか。

それではまた\(^o^)/

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