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オススメ!『腸と脳』 みんな、腸内環境を整えよう! ③
- 2020/09/24
- ブログ
こんにちは!
佐伯区のはな鍼灸整骨院コイン通り院の山口です。
第3回!ということで
今回も、腸内細菌と人間の情動に関する研究を分かりやすくまとめた本
『腸と脳 内臓感覚は強し』 エムラン・メイヤー 著 高橋洋 訳
をご紹介したいと思います!
第2回目では、可能性あふれる腸と腸内細菌がとても密に脳と関係しているという話をさせていただきました。
第3回目となる今回は、感情と脳の関係、そしてその研究の歴史を紹介したいと思います。
今回も、腸内細菌と人間の情動に関する研究を分かりやすくまとめた本
『腸と脳 内臓感覚は強し』 エムラン・メイヤー 著 高橋洋 訳
をご紹介したいと思います!
第2回目では、可能性あふれる腸と腸内細菌がとても密に脳と関係しているという話をさせていただきました。
第3回目となる今回は、感情と脳の関係、そしてその研究の歴史を紹介したいと思います。
心と腸のコミュニケーション
車の運転中、後続の車が突然追い越してきて前方に割れこみ、急ブレーキをかけたとする。追突を避けようとして慌ててブレーキを踏んだため、あなたの車は隣の車線にはみだしてしまう。追い越しをかけた車のドライバーは笑っている。あなたは、首の筋肉の記帳を感じ、唇を固く閉じ、歯を食いしばり、眉をひそめる。助手席に座っている妻は、あなたの怒った表情にすぐに気づく。意気消沈したときの表情は、それとはまったく異なる。その時には、妻は視線を落として沈み込むあなたの暗い表情に気付くはずだ。
(著書からの引用)
いま話題となっているあおり運転の事例です。
車を運転している方々なら、一度は経験があるのではないでしょうか?
私たちは、ごくごく自然に他人の表情から、その人の感情を読み取ります。
この能力は、言語、民族、文化、国籍を超え、動物にまで作用します。
表情は、脳からの信号によって顔の筋肉が収縮・弛緩して形つくられます。
著者は「開かれた本」と表現していますが、まさにそのとおり、感情を隠すことが出来ないのです。
感情や情動が脳の信号を励起し、体のさまざまな部分に影響します。
表情は見て取れますが、胃腸など消化器官に対する研究はまだあまり進んでいません。
しかし、外からの刺激に対する情動とそれに伴う脳からのシグナルは確実に発生し、
私たちの身体は変化します。
ストレスを受けると、心拍数は上昇し、筋肉は緊張します。胃腸も収縮し、胃酸の分泌は促進され胃腸運動は低下します。
怒りを感じれば、収縮した胃腸の位置は全体的に上昇し、横隔膜を圧迫して呼吸は浅く、血流は頭部へ集まります。局所的に血圧が上がる事で、頭部の血管は怒張し、目は充血します。
もちろん、リラックスしたときは逆の現象が発生します。
こうした変化が、(多くがストレス過剰に)一方に偏って継続的に胃腸に影響を与えていることは、健康を損なう大きな要因となります。
しかし、健康を損なっている初期段階(腹痛や下痢など)では外傷のような所見はありません。
大抵、患者さんの意見は軽視されて、効果的な治療はなされないことが多いです。
そして、本来であるなら危険信号として正常な症状を薬で抑え込み、深刻な胃腸の変化を見過ごしてしまうのでしょう。
内臓反応を銃創から覗く??
情動と内臓反応との関係を調べるために行われた初めての実験はとんでもないものでした。
マキノ―島 アメリカ 出典nexttriptourism.com
軍医のウィリアム・ボーモントは、ある夏、配属先のマキノ―砦にて胃と脳の結びつきについて学ぶ機会を得たのです。
ある日、砦のすぐ近くで、アレクシス・セント・マーティンという名前の毛皮猟師が、誤ってマスケット銃で撃たれてしまいました。30分後にボーモント医師が駆け付けた時、腹部の左上にこぶし大の穴があいていました。その傷を覗き込むと、胃を観察し、人差し指を突っ込めるほどの穴がありました。
ボーモント医師によってセント・マーティンは命を取り留めましたが、胃瘻生活を余儀なくされます。もはや毛皮商人としての仕事をこなせなくなった彼は、ボーモント医師に住み込みの雑役夫として雇われ、胃と脳の作用を観察する奇妙な実験チームを組んだのでした。
ボーモント医師はリアルタイムで人間の消化作用を観察した史上初の人物になります。彼は、ゆでた牛肉、生キャベツ、固くなったパンなどの食べ物の断片を絹糸に結わえて、セント・マーティンの胃の内部に垂らし、さまざまなタイミングで引き戻しては、胃液でどの程度消化が進んでいるのかを調査したのです。
なんとおぞましい・・・
皆さんも想像できるように、この実験はとても困難で、被験者のセント・マーティンにとっても気分の良いものではありませんでした。
彼は、この実験の最中にイライラしたり気が動転したりしました。やがて、ボーモント医師は、胃の内部で生じている活動の変化を直接観察することによって、怒りが消化を遅らせているという結論をひきだしたのです。
こうしてボーモント医師は、情動が胃の活動を左右しうることを報告した史上初の科学者になりました。
その後も各地で情動と消化管の運動に関する報告が相次ぎ、次第に実験室で、腸と心の結びつきに関する科学的な研究が行われるようになりました。
私たちが日々感じている情動と特定の身体反応が結びつくように、脳は固定配線されており、情動が激化すると、この固定配線を介して内臓反応が導かれる、というのが、今日の科学者たちの一致した見解です。
つまり、腸は、特段なにもなければ通常業務(消化)を自動で(無意識的に)行いますが、異常事態(感情の激しい変化、怒りなど)があれば通常業務よりも優先して脳からの指令(過剰な収縮など)を実行するのです。
さて、ここで問題になってくるのが、通常業務と、異常事態の脳からの指令には個人差があるのです。これには遺伝とこれまで育ってきた環境や経験の蓄積が大きくかかわってきます。
次回は、こうした個人差についてお話していきたいと思います!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!